犬や猫にとって歯周病はとても身近な病気です。3歳以上の犬の約80%、猫の約70%が何らかの歯科疾患を抱えているともいわれており、歯周病の治療費は全身麻酔を伴う処置で高額になることも珍しくありません。
しかし、ペット保険によっては歯科治療が補償対象外になっているケースもあります。この記事では、歯周病を補償するペット保険の選び方と、各保険会社の対応状況を解説します。

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犬猫の歯周病と治療費の目安
歯周病は、歯垢(プラーク)が歯と歯ぐきの間にたまり、細菌が繁殖して炎症を起こす病気です。進行すると歯ぐきが腫れ、出血し、最終的には歯が抜け落ちたり、細菌が血流に乗って全身に影響を及ぼすこともあります。
歯周病の治療費の目安
- 歯石除去(スケーリング):2〜5万円程度
- 抜歯を伴う処置:5〜15万円程度
- 重度の歯周病治療(複数本の抜歯+処置):10〜30万円程度
歯科治療は全身麻酔を伴うことが多く、検査費用や麻酔費用を含めると高額になりやすいのが特徴です。特にシニアペットでは全身麻酔のリスクも高くなるため、事前の血液検査なども必要になります。
日頃のお口のケアとして、ペット用の歯ブラシで歯みがきの習慣をつけている飼い主も多いです。
ペット保険で歯周病は補償されるのか
ペット保険における歯科治療の補償は、「治療目的」か「予防目的」かによって対応が分かれます。
補償対象になるケース
- 歯周病の治療を目的とした歯石除去
- 歯周病による抜歯
- 歯の破折(折れた歯)の治療
- 口内炎の治療
補償対象外になるケース
- 予防目的の歯石除去(病気ではない状態での歯石取り)
- 美容目的の歯科処置
- 乳歯遺残の抜歯(保険会社による)
- 不正咬合の矯正
ポイントは「獣医師が歯周病と診断した上での治療」であるかどうかです。健康診断のついでに行う予防的な歯石除去は、多くの保険で対象外になります。


歯周病を補償する主な保険会社の対応状況
主な保険会社の歯科治療に関する補償状況をまとめます。なお、各社の補償条件は変更される場合があるため、加入前に公式サイトや重要事項説明書で最新情報を確認してください。
アニコム損保
歯周病等の歯科口腔内症状があり、治療を目的として行う場合は補償の対象です。予防目的の歯石取りや不正咬合は対象外です。
アイペット損保
「うちの子」「うちの子ライト」のどちらでも、補償開始日以降に発症した歯科疾患の治療は補償対象です。
PS保険
歯周病等の症状があり、歯科治療の一環で行った歯石取りは補償対象です。予防目的の歯石取りは対象外です。
楽天損保(スーパーペット保険)
「歯周病」や「歯の破折」などの歯科治療費用(投薬、抜歯、根管治療等)は原則として補償対象です。ただし、予防・ケア目的の口腔内処置は対象外です。
ペット&ファミリー損保
治療目的の歯科処置は補償対象です。免責金額(自己負担額)が設定されているプランがあるため、少額の治療では保険金が出ない場合があります。
歯周病の補償で注意したいポイント
待機期間中に発症した場合
保険の待機期間中に歯周病と診断された場合、その治療は補償対象外になることがあります。歯周病は徐々に進行する病気のため、加入前から症状があったとみなされるリスクもあります。
歯科治療の回数制限
歯科治療も通院や手術の回数制限に含まれます。回数制限のある保険では、歯科治療で回数を消費すると、他の病気の治療枠が減ってしまう点に注意しましょう。
保険会社ごとの定義の違い
「歯科治療」の定義は保険会社によって微妙に異なります。たとえば、乳歯遺残の抜歯を補償する会社と対象外とする会社があるため、加入前に個別に確認することをおすすめします。
歯科治療は高額になりやすいため、加入前に「歯科治療が補償対象か」を確認するのは必須です。特に小型犬は歯周病の発症率が高いため、歯科補償のある保険を選んでおくと安心です。


歯周病を予防するためにできること
保険で備えることも大切ですが、日頃の予防ケアで歯周病のリスクを下げることもできます。
- 毎日の歯磨き(ペット用歯ブラシ・歯磨きシートの活用)
- デンタルガムやデンタルトイの活用
- 定期的な動物病院での口腔チェック
- ウェットフードの過剰摂取を避ける(歯垢がつきやすい)
歯磨きの習慣をつけることが一番の予防になります。子犬・子猫のうちから口に触れられることに慣れさせておくと、歯磨きがスムーズになります。
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よくある質問(Q&A)
Q. 予防目的の歯石除去は保険で補償されますか?
A. ほとんどの保険会社で補償対象外です。歯周病と診断された上での治療目的の歯石除去であれば、補償される保険会社が多いです。
Q. 歯周病の治療は通院扱いですか?手術扱いですか?
A. 全身麻酔を伴う歯石除去や抜歯は「手術」として扱われることが多いですが、保険会社によって異なります。投薬のみの場合は「通院」扱いになるのが一般的です。
Q. すでに歯周病があるペットでも保険に入れますか?
A. 保険会社によっては加入可能ですが、歯周病に関する治療は補償対象外になる(特定疾病不担保)のが一般的です。歯周病が完治してから加入すれば条件なしで入れることもあります。
歯周病の治療の流れと費用内訳
実際に歯周病の治療を受ける場合、どのような流れになるのか把握しておきましょう。
ステップ1:口腔検査
獣医師が口の中を診察し、歯周病の程度を確認します。必要に応じて歯科レントゲンを撮影することもあります。この段階の費用は3,000〜5,000円程度が目安です。
ステップ2:術前検査
全身麻酔を使用するため、血液検査やレントゲン検査で全身状態を確認します。費用は10,000〜20,000円程度です。
ステップ3:全身麻酔下での処置
全身麻酔をかけた上で、歯石除去(スケーリング)、歯周ポケットの洗浄、必要に応じて抜歯を行います。麻酔費用を含めて20,000〜80,000円程度ですが、抜歯の本数が多いとさらに高額になります。
ステップ4:術後管理・投薬
処置後は抗生物質や鎮痛剤が処方されます。再診料と合わせて5,000〜10,000円程度が目安です。
すべてを合計すると、軽度の歯周病でも3〜5万円、重度なら10〜30万円の治療費がかかることがわかります。ペット保険で歯科治療がカバーされていれば、この負担を大きく軽減できます。


歯周病になりやすい犬種・猫種
歯周病は全犬種・全猫種に発生しますが、特にリスクが高いのは以下の犬種・猫種です。
歯周病リスクが高い犬種
- チワワ(小さな顎に歯が密集している)
- トイプードル(歯が小さく歯石がつきやすい)
- ダックスフンド(口腔内のケアが難しい)
- ヨークシャーテリア(乳歯遺残が起きやすい)
- マルチーズ(小型犬全般に歯周病リスクが高い)
歯周病リスクが高い猫種
- シャム(歯肉炎の発症率が高い)
- メインクーン(口腔内のトラブルが多い)
- アビシニアン(歯のエナメル質が弱い傾向)
小型犬は特に歯周病になりやすいため、小型犬の飼い主さんは歯科補償のあるペット保険を選んでおくと安心です。
猫の場合は歯ブラシを嫌がる子も多いため、猫用の歯みがきグッズを取り入れる飼い主も多いです。
まとめ
ペット保険で歯周病の治療費をカバーしたいなら、加入前に歯科治療が補償対象か確認することが重要です。「治療目的の歯科処置は補償対象」としている保険会社を選べば、高額になりやすい歯科治療に備えられます。
歯周病は犬猫にとって身近な病気であり、治療費も決して安くありません。保険で備えつつ、日頃のデンタルケアで予防することが大切です。大切なペットの口腔内の健康を守るために、適切な保険と予防ケアの両方を心がけましょう。


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参考:ペット保険STATION|歯周病・歯石除去は補償対象?
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