「愛犬が突然けいれんを起こした」「体が硬直して動かなくなった」。初めて犬のてんかん発作を目にしたとき、多くの飼い主さんがパニックになるものです。
犬のてんかんは犬の神経疾患の中で最も多い病気のひとつで、適切な治療によって発作をコントロールできるケースが多いです。しかし、治療は長期にわたることが一般的で、通院費や薬代が積み重なっていきます。
この記事では、犬のてんかんにかかる治療費や通院回数の目安、ペット保険での補償状況を詳しくまとめました。

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犬のてんかんとはどんな病気?
てんかんとは、脳の神経細胞が異常な電気信号を出すことで、繰り返し発作(けいれん)を起こす病気です。
てんかんの種類
特発性てんかん:原因が特定できないてんかんで、犬のてんかんの多くはこのタイプです。遺伝的な素因が関係していると考えられており、1〜5歳の若い犬で発症することが多いです。
構造的てんかん:脳腫瘍や脳炎、水頭症、頭部外傷など、脳に何らかの異常が原因で起こるてんかんです。原因疾患の治療も併せて行う必要があります。
発作の症状
全身性の発作では、意識を失い、体が硬直してバタバタとけいれんする症状が見られます。数秒〜数分で治まることが多いですが、5分以上続く場合や、短時間に繰り返し起こる場合は緊急受診が必要です。
てんかんの発作は見た目に衝撃的ですが、多くの場合は数分以内に治まります。発作中は犬のそばにいて安全を確保し、発作の様子(時間・動き)を記録しておくと獣医師への報告に役立ちます。
発作の日時や通院・投薬の記録は、1冊のノートにまとめておくと振り返りやすくなります。ペット用の健康手帳を使う飼い主も多いです。
犬のてんかんの治療費
診断・検査の費用
てんかんの診断には、血液検査、尿検査、神経学的検査に加えて、MRIや脳脊髄液検査などの精密検査が必要になる場合は20〜25万円程度かかることがあります。特にMRI検査は全身麻酔が必要なため、費用が高くなりがちです。
月々の治療費(投薬治療)
てんかんの治療は主に抗てんかん薬の内服です。月額の治療費は薬代と定期的な通院費を含めて月額5,000〜20,000円程度が目安です。犬の体重が大きいほど薬の量が増え、費用も高くなります。
1回あたりの通院費
定期通院の際は、診察料・血液検査・薬の処方で1回あたり7,000〜15,000円程度が目安です。抗てんかん薬の血中濃度を確認する検査が行われることもあります。
緊急時の費用
てんかん重積(発作が5分以上続く、または短時間に繰り返す)の場合は緊急入院が必要です。入院費・点滴・注射薬を含めて30,000〜100,000円程度かかることがあります。


毎日の投薬で薬を嫌がる子には、薬を包んで与える投薬補助用のおやつを使う方法もあります。
通院回数はどれくらい?
治療開始直後
薬の効果や副作用を確認するため、治療開始から最初の1〜2ヶ月は2〜4週間ごとの通院が必要です。薬の種類や用量を調整する期間です。
安定期
発作がコントロールできるようになったら、2〜3ヶ月ごとの定期通院になるのが一般的です。年間で4〜6回程度の通院が目安です。
発作が増えた場合
発作の頻度が増えたり、新たな症状が出たりした場合は、通院頻度が増えます。薬の追加や変更のために月1〜2回の通院が必要になることもあります。
犬のてんかんの年間通院回数は安定していれば4〜6回程度。薬の調整が必要な時期は月1〜2回に増えることもあります。
ペット保険でてんかんは補償される?
保険会社によって対応が異なる
犬のてんかんは、ペット保険の商品によって補償対象かどうかが異なるのが現実です。多くの保険では補償対象となりますが、一部の商品では「先天性・遺伝性疾患」として対象外にしているケースもあります。
加入前に確認すべきこと
てんかんが補償対象かどうかは、保険会社の約款や重要事項説明書に記載されています。加入前に「てんかんは補償対象ですか?」と保険会社に直接確認するのが確実です。
通院補償が充実したプランを選ぶ
てんかんは長期にわたる投薬治療が必要なため、通院補償の回数制限と限度額が重要です。年間の通院回数が十分なプランを選びましょう。
加入のタイミング
てんかんを発症した後では、その病気が補償対象外になったり加入そのものを断られたりする可能性が高いです。発症する前の健康なうちに加入しておくことが大切です。


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てんかんの発作時の対処法
発作中にやるべきこと
犬のそばにいて安全を確保します。周囲に危険なものがあれば取り除きましょう。発作の開始時刻と持続時間を記録し、可能であればスマートフォンで動画を撮影しておくと、獣医師への報告に役立ちます。
留守中の様子が気になる場合は、スマートフォンから確認できるペットカメラを設置する方法もあります。
やってはいけないこと
口の中に手や物を入れてはいけません。犬は発作中に舌を飲み込むことはないため、無理に口を開ける必要はありません。また、大声で呼びかけたり体を揺すったりせず、静かに見守りましょう。
緊急受診が必要なケース
発作が5分以上続く場合、1日に2回以上発作が起きた場合、発作後に意識が戻らない場合は、すぐに動物病院を受診してください。
てんかんの発作を初めて目にするとパニックになりがちですが、落ち着いて対処することが大切です。発作中は犬に触れず安全を確保し、発作の様子を記録しましょう。
犬のてんかんQ&A
Q. てんかんは治る病気?
特発性てんかんは「完治」する病気ではありませんが、抗てんかん薬で発作を十分にコントロールできるケースが多いです。薬でうまくコントロールできれば、通常通りの生活を送れます。
Q. 抗てんかん薬の副作用は?
食欲増進、多飲多尿、眠気、ふらつきなどの副作用が見られることがあります。多くは投薬開始後の数週間で落ち着きますが、気になる場合は獣医師に相談しましょう。
Q. 食事で気をつけることは?
特別な食事制限が必要なケースは多くありませんが、肥満は避けるべきです。抗てんかん薬の影響で食欲が増すことがあるため、食事量を管理して体重を適切に維持しましょう。
自宅で体重を量れるペット用の体重計があると、日々の管理がしやすくなります。
Q. てんかんの犬と暮らす上で気をつけることは?
薬を決まった時間にきちんと飲ませること、発作の記録をつけること、ストレスを減らすこと、定期的に通院することが大切です。安定した生活リズムを保つことで発作のリスクを下げられます。
てんかんは「付き合っていく病気」です。焦らず、獣医師と二人三脚で治療を続けていくことが、愛犬の生活の質を守るカギになります。
まとめ
犬のてんかんの治療費は、月額5,000〜20,000円程度の投薬治療が中心です。MRI検査が必要な場合は20〜25万円程度、緊急入院は3〜10万円程度かかることもあります。年間の通院回数は安定期で4〜6回程度、薬の調整期は月1〜2回です。
ペット保険の補償対象かどうかは保険会社によって異なるため、加入前に直接確認することが重要です。長期にわたる治療に備えて、通院補償が充実したプランを選びましょう。
参考リンク:日本獣医師会 / アニコム家庭どうぶつ白書 / 環境省 動物愛護管理法
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