「避妊手術をしていない犬を飼っているけど、子宮蓄膿症になったらどうしよう…」「子宮蓄膿症の治療費ってペット保険でカバーできるの?」そんな疑問を感じている飼い主さんは意外と多いのではないでしょうか。
子宮蓄膿症は未避妊のメス犬に多い命に関わる病気で、緊急手術が必要になるケースがほとんどです。手術費用は15万~30万円ほどかかることもあり、飼い主にとって大きな負担になります。
この記事では、ペット保険で子宮蓄膿症を含む生殖器の病気がどこまで補償されるのか、治療費の相場や保険選びのポイントを詳しく解説します。

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子宮蓄膿症とはどんな病気?
子宮蓄膿症は、子宮内に細菌が感染して膿がたまる病気です。未避妊のメス犬で特に多く、中高齢期(6歳以降)に発症しやすいとされています。猫でも発症しますが、犬に比べると頻度は低めです。
主な症状
- 元気・食欲の低下
- 水をたくさん飲む(多飲多尿)
- 陰部からの異常な分泌物(開放型の場合)
- お腹のふくらみ(閉鎖型の場合)
- 嘔吐、下痢
- 発熱
「開放型」は膿が外に出るため発見しやすいですが、「閉鎖型」は膿が子宮内にたまり続けるため発見が遅れやすく、子宮が破裂して腹膜炎を起こす危険性があります。
治療方法
基本的には卵巣子宮摘出手術(外科手術)が第一選択とされています。内科的治療(抗生物質の投与)だけでは完治が難しく、再発リスクも高いためです。
緊急手術になることが多く、手術前の血液検査やレントゲン・エコー検査、術後の入院・投薬なども含まれます。
子宮蓄膿症は発見が遅れると命に関わる病気です。未避妊のメス犬・メス猫がいつもより水を多く飲む、元気がない、おりものが出るなどの異変があれば、すぐに動物病院を受診しましょう。
飲水量の変化に気づくためには、ふだんどのくらい水を飲んでいるかを把握しておくことが大切です。水の減り具合を確認しやすい給水器を使う飼い主もいます。
子宮蓄膿症の治療費はどのくらいかかる?
治療費は動物病院や犬のサイズ、症状の重さによって大きく変わりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 術前検査(血液検査・エコー・レントゲン等) | 1万~3万円程度 |
| 手術費用(卵巣子宮摘出術) | 5万~15万円程度 |
| 麻酔代 | 1万~3万円程度 |
| 入院費(3日~1週間程度) | 2万~5万円程度 |
| 術後の投薬・通院 | 数千~1万円程度 |
トータルでは15万~30万円程度かかるケースが多いです。重症化している場合はICU管理や輸血が必要になることもあり、費用がさらにふくらむ可能性があります。


ペット保険で子宮蓄膿症は補償されるのか
子宮蓄膿症は「病気の治療」として行われる手術であるため、多くのペット保険で補償の対象になっています。「避妊手術は対象外」と聞いて混同されやすいですが、子宮蓄膿症の治療としての子宮摘出術は予防目的の避妊手術とは別扱いです。
補償される範囲
- 子宮蓄膿症と診断された場合の手術費用
- 術前検査・入院・術後の投薬と通院
- 子宮蓄膿症に伴う合併症(腹膜炎など)の治療
補償されないケース
- 予防目的の避妊・去勢手術(健康な状態での避妊手術は補償対象外)
- 保険加入前に発症していた場合(既往症)
- 待機期間中の発症
- 一部の保険で「生殖器関連疾患」を不担保にしている場合
「予防目的の避妊手術」と「子宮蓄膿症の治療としての子宮摘出手術」は保険上の扱いが異なります。あくまで病気の治療として獣医師が行った手術であれば補償の対象です。ただし、保険会社ごとに細かい条件が異なるため、約款の確認は必ず行いましょう。
生殖器の病気に備える保険選びのポイント
手術補償がしっかりしているプランを選ぶ
子宮蓄膿症は手術が必要になるケースがほとんどです。手術1回あたりの限度額が15万~30万円以上あるプランを選んでおくと安心です。
入院補償の日数も確認する
手術後は3日~1週間程度の入院が必要になることが多いため、入院日数の制限が少ないプランがおすすめです。重症の場合はさらに入院が長引くこともあります。
退院後は傷口をなめないように、エリザベスカラーや術後服を使うことがあります。どちらを使うかは獣医師の指示に従ってください。
未避妊の場合は早めに加入を検討する
子宮蓄膿症は中高齢期に多い病気ですが、若いうちでも発症することがあります。保険料は年齢が上がるほど高くなるため、できるだけ早い段階で加入しておくのが理想的です。
避妊手術も検討する
子宮蓄膿症のもっとも確実な予防法は避妊手術です。繁殖の予定がない場合は、若いうちに避妊手術を行うことで子宮蓄膿症だけでなく乳腺腫瘍のリスクも下げられるとされています。


その他の生殖器関連の病気
乳腺腫瘍
未避妊のメス犬・メス猫に多い腫瘍です。犬では約50%が良性、猫では約90%が悪性とされています。手術で摘出する治療が一般的で、多くのペット保険で補償対象です。
前立腺疾患
未去勢のオス犬に多い病気で、前立腺肥大や前立腺炎、前立腺膿瘍などがあります。去勢手術で予防できることが多いですが、病気として発症した場合はペット保険の補償対象になるのが一般的です。
精巣腫瘍
未去勢のオス犬で、特に停留精巣(精巣が腹腔内にとどまっている状態)の場合にリスクが高くなります。手術で摘出する治療が一般的です。
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よくある質問(Q&A)
Q. 子宮蓄膿症の手術で子宮と卵巣を摘出しましたが、「避妊手術だから対象外」と言われませんか?
子宮蓄膿症と診断されての治療目的の手術であれば、予防目的の避妊手術とは別扱いになります。多くのペット保険で補償の対象です。ただし、保険金請求時には獣医師の診断書が必要になるケースがあります。
Q. 避妊手術をしていれば子宮蓄膿症にはならないですか?
卵巣と子宮の両方を摘出する避妊手術を行えば、子宮蓄膿症はほぼ発症しません。ただし、手術で子宮の一部が残っている場合(子宮断端蓄膿症)に発症する可能性がごくまれにあります。
Q. 子宮蓄膿症を発症した後でも保険に入れますか?
子宮蓄膿症の治療で子宮を摘出した後であれば、その病気自体は再発しないため、加入できる保険もあります。ただし、関連する生殖器の疾患が不担保になる可能性があります。各保険会社に確認しましょう。
まとめ
子宮蓄膿症は未避妊のメス犬に非常に多い命に関わる病気で、緊急手術が必要になるケースがほとんどです。治療費はトータルで15万~30万円ほどかかることが多く、飼い主にとって大きな負担になります。
ペット保険では、治療目的の子宮摘出手術は多くの保険で補償の対象です。未避妊のペットを飼っている場合は、早めの保険加入で万が一に備えておくことをおすすめします。


実際の治療費シミュレーション
未避妊の中型犬(8歳)が子宮蓄膿症(閉鎖型)と診断され、緊急手術を受けたケースを想定してみましょう。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 救急診察料 | 3,000円 |
| 血液検査・エコー検査 | 15,000円 |
| レントゲン検査 | 5,000円 |
| 手術費用(卵巣子宮摘出術) | 100,000円 |
| 麻酔代 | 20,000円 |
| 入院費(5日間)+点滴・抗生物質 | 50,000円 |
| 術後の通院・抜糸(2回) | 7,000円 |
| 合計 | 200,000円 |
70%補償プランに加入していた場合、保険から約140,000円が支給され、自己負担は約60,000円に。保険がなければ20万円が丸ごと自己負担です。
閉鎖型の子宮蓄膿症が重症化して腹膜炎を合併した場合は、さらにICU管理や輸血が必要になり、トータルで30万~50万円以上かかることもあります。このような高額な緊急治療に備えるためにも、ペット保険は心強い味方になります。


避妊手術と保険の費用対効果
子宮蓄膿症のもっとも確実な予防法は避妊手術です。ここで、避妊手術を受けた場合と受けなかった場合の費用を比較してみましょう。
| 項目 | 避妊手術あり | 避妊手術なし(子宮蓄膿症発症時) |
|---|---|---|
| 手術費用 | 3万~5万円程度 | 15万~30万円程度 |
| 入院日数 | 1~2日 | 3日~1週間以上 |
| 術後リスク | 低い(計画的手術) | 高い(緊急手術・合併症リスクあり) |
| 子宮蓄膿症の発症リスク | ほぼゼロ | 未避妊の高齢犬で高い |
費用面だけで見ても、若いうちに3万~5万円で避妊手術を受けるほうが、子宮蓄膿症で15万~30万円かかるリスクを考えれば経済的です。ただし、繁殖を考えている場合や健康上の理由で手術ができないケースもあるため、獣医師とよく相談しましょう。
生殖器の病気を予防するために
定期的な健康診断
未避妊のメス犬・メス猫は、少なくとも年に1回は腹部エコーを含む健康診断を受けることが推奨されます。子宮蓄膿症は発見が遅れるほど重症化するため、早期発見が命を守るカギになります。
発情期の観察
子宮蓄膿症は発情期の後(黄体期)に発症しやすいとされています。発情期の約1~2か月後に食欲不振、多飲多尿、陰部からの分泌物などの症状が見られたら、すぐに動物病院を受診してください。
体重管理
肥満は手術のリスクを高める要因のひとつです。万が一の緊急手術に備えて、日頃から適正体重を維持しておくことも大切な予防策です。
体重の増減を把握するには、自宅で定期的に量っておくと便利です。ペット用の体重計があれば、抱っこせずに計測できます。
子宮蓄膿症は放置すると命に関わる病気です。「元気がない」「水をやたらと飲む」「お腹が張っている」などの症状があれば、一刻も早く動物病院を受診してください。閉鎖型の場合は外見ではわかりにくいため、異変を感じたら迷わず受診しましょう。
参考リンク:アニコム損保「子宮蓄膿症<犬>」 / 価格.com「犬の子宮蓄膿症」 / ピクシー「犬の子宮蓄膿症の手術費用」
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