猫の尿路結石症は、尿路(腎臓・尿管・膀胱・尿道)に結石ができる病気で、猫に非常に多い泌尿器疾患のひとつ。特にオス猫は尿道が細いため、結石が詰まると尿道閉塞を引き起こし、命に関わる緊急事態に発展するリスクがある。
猫の尿路結石の治療費は、内科治療(療法食+投薬)で2〜5万円程度、手術が必要な場合は10〜25万円程度が目安。結石の種類や大きさ、治療法によって費用は大きく異なる。
この記事では、猫の尿路結石の手術費用、結石を溶かすための療法食(フード)の選び方、結石の種類ごとの治療法の違い、そして再発を防ぐための予防法を詳しく解説する。

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猫の尿路結石の種類
1. ストルバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム結石)
猫の尿路結石で最も多いタイプのひとつ。尿がアルカリ性に傾くと形成されやすい。療法食によって溶解できる可能性があるのが大きな特徴。比較的若い猫に多く、マグネシウムやリンの多い食事が原因になることがある。
2. シュウ酸カルシウム結石
もうひとつの代表的な結石タイプ。こちらは療法食では溶かすことができないため、手術で摘出する必要がある。中高齢の猫に多く見られる傾向がある。尿が酸性に傾きすぎると形成されやすい。
3. その他の結石
頻度は低いが、尿酸塩結石やシスチン結石などが見つかることもある。いずれも専門的な治療が必要。
どちらの結石かによって治療法と費用が大きく変わるため、尿検査やレントゲン、エコーで正確に結石の種類を特定することが治療の第一歩。
日頃から尿の色や量を確認しやすいように、システムトイレを使う飼い主も多いです。
猫の尿路結石の症状
- 頻尿(トイレに何度も行くが少量しか出ない)
- 血尿(おしっこがピンク〜赤色)
- 排尿時に痛がる、鳴く、力む
- トイレ以外で排尿する
- 陰部をしきりに舐める
- 食欲・元気がなくなる
- お腹を触ると痛がる
オス猫が全く尿が出ない状態になったら、尿道閉塞の可能性が高い。24〜48時間放置すると急性腎不全を引き起こし、命に関わる。嘔吐を伴う場合は特に深刻で、夜間でも緊急受診が必要。
猫の尿路結石の治療費
内科治療(療法食+投薬)の費用
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 診察料 | 1,000〜2,000円 |
| 尿検査 | 1,500〜3,000円 |
| 超音波・レントゲン検査 | 3,000〜8,000円 |
| 投薬(消炎剤・抗生物質など) | 2,000〜5,000円 |
| 療法食(1か月分) | 3,000〜6,000円 |
| 内科治療の総額目安 | 2〜5万円程度 |
手術治療の費用
| 手術の種類 | 費用の目安 |
|---|---|
| 膀胱切開による結石摘出 | 10〜20万円程度 |
| 尿道切開による結石除去 | 10〜15万円程度 |
| 会陰尿道瘻設置術 | 15〜25万円程度 |
| 尿管結石の手術(SUBシステムなど) | 30〜50万円程度 |
上記に加えて入院費(1日3,000〜5,000円)や術前検査費(1〜3万円)が別途かかる。尿管結石の場合は専門的な設備が必要で、二次診療施設(大学病院や専門病院)に紹介されることもある。


- ストルバイト結石は療法食で溶解できる可能性がある(費用2〜5万円目安)
- シュウ酸カルシウム結石は手術が必要(費用10〜25万円目安)
- 尿道閉塞の緊急処置は追加で5〜15万円程度かかる
- 尿管結石は最も高額で30〜50万円程度になることも
尿路結石の療法食(フード)について
ストルバイト結石の治療と予防には、療法食の活用が非常に重要。療法食は通常のキャットフードとは異なり、ミネラルバランスと尿のpH値をコントロールするように設計されている。
療法食の主な特徴
- マグネシウム・リン・カルシウムなどのミネラル含有量が制限されている
- 尿を適切な酸性度(pH6.0〜6.5程度)に保つよう調整されている
- ナトリウムを適度に含むことで飲水量を増やす効果がある
- タンパク質やカロリーバランスも考慮されている
- 抗酸化成分やオメガ3脂肪酸が含まれているものもある
療法食の費用目安
療法食は一般的なフードに比べてやや高めの価格設定。月額3,000〜6,000円程度を見込んでおくとよい。ドライフードとウェットフードを併用するケースも多く、ウェットフードのほうが水分摂取量を増やせるため結石予防には効果的。
療法食を使う際の注意点
- 療法食は獣医師の指示のもとで使用すること(自己判断で切り替えるのは危険)
- 健康な猫に結石用の療法食を与え続けると、逆に栄養バランスが崩れることがある
- シュウ酸カルシウム結石には溶解効果がないため、結石の種類の確認が重要
- 療法食を食べてくれない場合は、メーカーや味の異なる製品を試す
- おやつは療法食の効果を打ち消してしまうため、療法食のみを与えるのが原則


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猫の尿路結石を予防する方法
1. 十分な水分摂取
水をたくさん飲ませることが結石予防の基本中の基本。ウェットフードを食事に取り入れる、水飲み場を家の中に複数設置する、流れる水が出る自動給水器を使うなどの工夫が効果的。ドライフードにぬるま湯を加えてふやかす方法もある。
2. バランスの良い食事
ミネラルバランスが整った総合栄養食を与えることが基本。マグネシウムやリンの過剰摂取を避け、尿のpHを適切に保つ食事管理が大切。市販のフードを選ぶ際は「総合栄養食」と表記されたものを選ぼう。
3. トイレ環境の改善
トイレが汚れていると排尿を我慢してしまい、尿が濃縮されて結石ができやすくなる。トイレは常に清潔に保ち、猫の数+1個を目安に設置しよう。猫砂の種類も猫の好みに合わせることが大切。
4. 適度な運動
運動不足は肥満につながり、肥満は結石のリスク因子。おもちゃで遊ぶ時間を1日15〜30分は確保し、適度な運動を心がけよう。
5. 定期的な尿検査
症状がなくても、年に1〜2回は尿検査を受けて結石の兆候を早期に発見することが重要。特に一度結石を経験した猫は再発リスクが高いため、3〜6か月ごとの定期検査が推奨される。
- 水分摂取量を増やすことが結石予防の最も基本的な対策
- ウェットフードの活用で自然に水分摂取量を増やせる
- トイレ環境を清潔に保ち、排尿を我慢させないことが重要
- 結石経験がある猫は3〜6か月ごとの定期検査で再発を監視する
よくある質問(Q&A)
Q. 猫の結石は自然に治る?
A. ストルバイト結石は療法食で溶解できるケースがあるが、「自然に治る」とは言えない。シュウ酸カルシウム結石は自然には溶けず、手術が必要になる。どちらの場合も獣医師の診断と適切な治療が不可欠。
Q. 結石用の療法食はいつまで続ける必要がある?
A. 結石が溶解するまでは厳密に療法食を与え、溶解後も再発予防のために療法食の継続が推奨されるケースが多い。完全に一般食に戻せるかどうかは獣医師の判断に従うこと。
Q. 尿路結石はペット保険で補償される?
A. 尿路結石の治療(通院・手術・入院)はほとんどのペット保険で補償対象。ただし、保険加入前に発症していた場合は補償対象外になることがある。加入を検討するなら健康なうちに加入しておくのが得策。
Q. メス猫でも結石になる?
A. メス猫でも結石はできる。ただし、メス猫は尿道が太いため尿道閉塞になりにくく、オス猫に比べると重症化リスクは低い。とはいえ膀胱炎や血尿の原因にはなるため、治療は必要。
Q. 結石予防に手作り食はあり?
A. 手作り食はミネラルバランスの管理が非常に難しく、かえって結石リスクを高める可能性がある。結石経験のある猫には、獣医師が推奨する療法食を使用するのが安全。


まとめ
猫の尿路結石の治療費は、内科治療で2〜5万円、手術が必要な場合は10〜25万円程度が目安。ストルバイト結石は療法食で溶解できる可能性があるが、シュウ酸カルシウム結石は手術での摘出が必要になる。
予防にはバランスの良い食事、十分な水分摂取、清潔なトイレ環境が欠かせない。特に一度結石を経験した猫は再発リスクが高いため、定期的な尿検査と食事管理を継続することが重要。
愛猫の健康を守り、高額な治療費に備えるためにも、ペット保険への加入を検討しておくと安心である。
参考:ペット保険比較のピクシー「猫の尿路結石の手術費用」 ペット保険STATION「尿路結石症はペット保険で補償対象?」 PS保険「猫の尿路結石症の症状と原因」
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